支持するために訳し直しながら読むという支持

これ読んだ。

支持的精神療法の上手な使い方
ディビッド・S. ワーマン 亀田 英明
4791101715



非常にタメになる内容ですが,訳が悪くてイライラ。しばしば心が折れそうになる。
直訳直訳でようワカランので,仕方がないから直訳から英語を推測→訳し直しみたいな脳内作業を行いながら読む。

カレッジの学生→college student→大学生
毎時間→every time→いつも

みたいな感じで。ほんと,下訳レベルなんじゃないですかね。しかしまぁ直訳丸出しな分,原文が想像しやすくて,そこがこの本との繋がり所だったりして。皮肉なもんですが。


ただし,支持的心理療法の原則が事細かに書いてあるので,あぁこういう風に抽象化して頭に置いておけば良いのね,という発見が沢山ありました。

支持と洞察が相容れないアプローチだなんて,もはや誰も考えていないだろうし,ワクテルも「必要な限り支持的であれば,それだけ洞察的になれる」なんて言ってたりするわけですけど,「支持的に関わります!」って言うときに,「一体あんたは何してんの?何を支持してんの?支持するって何?てか,なんで支持すんの?」ってな事柄をキッチリ考える上で,「支持的心理療法とは何か」という事を理解しておくことはとても役に立ちそうです。

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古典の世界にレッツ・ダイヴ!というAlbernheitでない試み

これ読んだ。

破瓜病 (1978年)
E. ヘッカー E. クレペリン 渡辺 哲夫
B000J8R34Y


我ながらちんけな表現ですけど,これはめちゃくちゃ面白い。見たままが事細かく,芳醇に,まさに「記述」されている。これはすごい。正直,言葉を失うくらいに。ヘッカーもクレペリンも,歴史上の人物としか知らなかった自分が恥ずかしくなる。彼らは,優れた観察眼と並はずれた知性を持った,一臨床家だったんだなと思う。

姉妹書がこれ。

緊張病 (1979年)
K.L.カールバウム 渡辺 哲夫
B000J8IOL0


これは未読だけど,読みます。絶対面白いと思うから。いずれも19世紀後半に書かれた書物で,非常勤先の精神科Drにも「そんなに大それたものまで読まなくてもw」なんて言われたけれど,そんなこたぁない(のではないかと思う)。少なくとも,優れた症例記述として,読むに値すると思う。当時ドイツ精神医学がグワッと盛り上がったってのはなんとなく聞いたことがあるし,記述精神医学ってのも聞いたことがあった。んでもその実は全然知らなくて,「記述」ってのが何のことなのか全然知らなかった。だからこの本を読んで,「これが記述か」と激しい知的興奮を覚えた。当時はそうする以外に方法がなかったのかもしれないけれど,同時にそれは,きっと当時の最善の方法でもあったんだろうと勝手に物思いに浸る俺様。



この勢いで,記述精神医学から力動精神医学まで,古典・原典の世界にドップリはまってみることに。これはとても楽しそう。そしてとても勉強になりそう!



破瓜病も緊張病も絶版です。うちの大学図書館にはありますけど,もったいない。
もし良かったら,ということでリンク。

復刊.com:「破瓜病」ヘッカー

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