本が届いた ~論争・イズ・ゴーイング・オン~

昨日この本届きました。


ロールシャッハテストはまちがっている―科学からの異議


で,面白かったから夜中まで読んでました。

前半は斜め読みで,最近の話題に関連するところをとりあえず。

意外に訳がうまい。読みやすい。テクニカル・タームの訳は違和感あり。そこは専門外の訳者故か。それとも一般書向けの配慮か。どちらにしても,まぁしゃあない。



批判内容の吟味は置いておくとして,今日は議論でなくレビューをします。要するに,当たり障りのない,無難な文章を書くということです。




全体を通して,論調はちょっとずるい。だけど戦略的。こいつら弁護士か?ってくらいに。

権威を糾弾しているのに,一つ一つの研究や研究者の,学問的ステイタスをほのめかす言葉を差し込んだり。うまいね。自分らにとって有益な証拠のみを,そのようなやり方で補強する。うまい。正義を背負っているかのように見える分,効果は絶大ですな。



ちなみに,論争に加わっているロールシャッハ擁護者達は,この著者達の一連の批判を,大いなる誤解が生んだ非生産的な議論,としている。

で,この著者達は,それらの論調を研究者個々人の社会的文脈をも含めて,批判的に論評する。


この手の議論に,やっぱり終わりはないね。


双方の主張を支える前提の部分,それを互いに批判し合ってる。だけども,その前提はお互いに簡単には譲れる物ではないわけで。アドホックな事なら簡単にできるけどもね。


最終的には,この論争を傍目で見ている人が,どのような情報を選択し,どんな判断を下すか,それによって主張の正当性が決まるのかもね。その意味で,この著者達は戦略的にうまい。



結局,擁護者・批判者,共に論じているのは自分たちのロールシャッハ物語,もしくはロールシャッハ・コントロバースィ物語だ。


国の歴史が,何らかの意図を内包した物語でしかないのと同様か。

例えば,侵略戦争。

お隣の国で糾弾の的になる。

ある南方の島国では写真一枚だったりする。


もしくは原子爆弾。

ある国では最悪の出来事だったり,

ある国では必要悪としての出来事だったり。


それらは,国が政策として選択した歴史物語だったりもするわけで。



そのような物語の中にずっぽりと埋まっている我々は,なかなか他の物語を受け入れられない。文化って面白い。ロールシャッハ・カルチャー VS ロールシャッハ・クリティック・カルチャー。



「科学という正義」の看板を大々的に掲げた批判者達は,とにもかくにもうまい。当事者同士で決着の付かない論争を傍目で見ながら,それぞれの主張の正当性を判断する人々に対して,非常に巧妙なメッセージだと思う。



内容はさておき,だけども。


と,ロールシャッハ信奉者を好まない,だけども結局はロールシャッハ・カルチャーの中で生きている僕が言ってます。

Comment

いや、実際面白い本なんですよね。

こちらのブログでのレビューってか反論?にもコメントいただけるとうれしかったりしますよ。
面白い本ではありますねぇ。ほんと。

ボチボチと読んで,ロテさんのとこコメントしにいきます。
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