忘れないように書いておく ~Aid Rorschach~

研究とかについて書きます。

認知的複雑性cognitive complexityなんかをキーワードにして,ロールシャッハ法を複雑な認知課題と捉えることにより,何か得られることはあるだろうか。もちろんロールシャッハ法を妥当化するための知見が。

そのうえで,遂行機能等との関連をみることに,何か意味はないだろうか。例えば反応過程の検討?もしくは,最近ヨーロッパで流行している,神経心理学的検査としてロールシャッハを捉える,という試みにも近いのだろうか?

解釈仮説の妥当化において,反応の原理を明らかにすることに何か意味はあるだろうか。
例えば,反応の過程やメカニズムに対する知覚心理学,認知心理学アプローチや,面接としてのロールシャッハ法への会話分析的アプローチなど。それらの方法はロールシャッハ法の解釈仮説を妥当化するために適切な方法だろうか。

心理特性等の構成概念とは違い,ロールシャッハ反応の解釈的意味はアプリオリに設定されたものではない。このような操作的定義の違いは,このような試みにどのような影響を与えるのだろうか。そして何らかの影響が考えられる場合,その構成概念妥当性についてはどのように考えればよいのか。

それより,そもそも反応の原理などを明らかにすることは可能なのだろうか。これまでにも多くの研究者によって,そのような試みが既になされてきているのではないか?先行研究を洗ってみる必要がありそうだ。

そしてもし仮に反応の原理が明らかになった場合,その原理から演繹的に解釈仮説を導くことは可能なのだろうか。
もしそのような試みが成功し,何らかの解釈仮説が妥当化されたとする。そのような場合,それは従来のそれと異なるものとなるのだろうか。仮にそのような試みが成功したとして,ロールシャッハ法は妥当な心理検査として再評価されうるのだろうか。

加えて,継列分析的な解釈過程を科学的に妥当化することは可能だろうか。それが可能であれば,構造分析と継列分析という解釈の両輪を実証研究の土俵に乗せることができる。この事は可能であろうか。さらに,この事に何か意味はあるだろうか。

臨床的な志向性の違いは,当然アセスメントの違いにも直結する。そのような志向性の違いを超えて,ロールシャッハ法が機能的に運用される可能性など無いのだろうか。問題解決的,認知行動的な志向性が隆盛を極めることは,ロールシャッハ法の死をも意味するのだろうか。もしかすると,これはアプローチの統合についての議論そのものなのかもしれない。

ロールシャッハ法には様々な解釈仮説があるが,論理的に危ういものもあったりして,はっきり言って玉石混合だ。これはなんとかせねばならない。ロールシャッハ法が生き残るための大事なミッションだ。
自分では何も語らないくせに,既にロールシャッハなど過去の遺物であるなどと,安全地帯からしたり顔で曰う人々に対しても,そのような研究を提示していくことが必要なのではないか。その上でまっとうな批判がなされれば,ロールシャッハ法の研究はさらに進んでいくように思える。

ロールシャッハ法の妥当性を高め,ロールシャッハのプロパー以外の人々にもその意義を伝えていくことができないのであれば,研究をする意味はないように私には思える。

ロールシャッハ法批判に対して,日本の専門家も何らかのステートメントを発するべきではないか。仮にその批判が一般書においてなされているとしてもだ。いかに専門的にみて内容が陳腐であっても,センセーショナルな批判の影響力を甘く見てはいけないのではないか。


このブログのタイトルは語呂合わせ的な意味合いが強いが,それでもそれなりの比喩的な意味を持っている。

Rorschach inkblot method may(will?) be DECOllated by statistics and/or evidence-based orientations.
(ロールシャッハ・インクブロット・メソッドは,統計そして/あるいはエビデンスベイスドな志向性によって,首をはねられるかもしれない。)


それに抗う事が当面の仕事だ。

Comment

なんか似たようなことやってるな
実はわたくしも最近、ある描画法(ってあれですよ)を一種の認知課題としてとらえることが出来るのではないかと思い始め、ちょっとデータを整理しようと思っているところであります。

そちらの研究もなかなか面白そうでございますな。是非ともじっくり話をうかがいたいところです。
あらま
それは奇遇ですね(偉そう;

てかそのテーマは確実に面白そうですね。是非今度お話うかがわせてください。よろしくお願いします。

僕の方は,卒論からの懸案事項がありますから,当面はそれに集中することになりそうです。
なので,それにケリをつけることを第一目標にして,認知課題としてのRIMってのはじわじわ暖めてって感じですね。

あっ,ちなみにロールシャッカーって言葉はないかもしれません;;;
以前なんかの本で読んだ気がしたんですけどねぇ。夢だったのかも知れません。
リンクありがとうございますねっ
ウチにも貼らせてもらいましたー

…スゴイ場違いなトコに来てしまった
どもども。

場違いだなんてそんなぁ。
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  • 2005/09/09 08:40
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