最近のアタッチメント ~終わりゆくブーム~

ヘイヘイヘイヘイ!今日はアタッチメントの最近の動向をチェックするぜ!!アタッチメントとは言っても,頭にパチパチとつける,そうだな,ちょうど美川憲一が被っているような,髪の毛型帽子の話ではないんだ。アタッチメント,しがみつき,なつき,愛し愛され,赤毛猿。プリミティヴな愛の叫びが聞こえるぜ!この耳に!体に!魂にぃぃぃ!!


1987年にHazan & Shaverが大人愛着を質問紙で研究するなんていうパラダイムをぶち上げてから,この21世紀,2006年の半ばまで,アダルト・アタッチメントは心理学の関心事のひとつで有り続けてきたんだ。すごいことだよな。

既にAdult Attachment InterviewよりもECRっていう質問紙のほうがメジャーだ。AAIなんて,キャリフォルニア大学バークレー校なんてとこまで行ってレクチャー受けないと使えないし,それだったらお気楽な質問紙のほうにみんなが走っても不思議じゃないよな。


でさ,Bowlbyの著作は未だに重要文献として引用され続けているわけで,彼の考えを実証ベースの世界に連れて行ったAinsworth達は本当に偉いよな。Bowlbyも彼らには足向けて眠れないってこった。

でもな,最近,ほんとごく最近なんだけど,もしかしてアダルト・アタッチメント研究って下火?なんて事を思うんだ。

アダルト・アタッチメント研究はほんとに幅広く行われてきた。

他の人格変数との関連とか,病理との関連なんていう通り一遍なものから,セラピーのアウトカム,作業同盟とかなんとかとの関連も調べられてて,臨床っぽい知見もバンバン生み出されてきたわけ。ちなみにアタッチメント自体は変えにくい変数で,ターゲットにはなりにくい。特に大人ではね。

でも,どうやらアタッチメントの質ってのはさっき言ってたように,アウトカムとか作業同盟,治療関係なんてのをうまい具合に予測する変数だってことが分かったのさ。だから,アタッチメントってのはどうやら見立てに用いられてこそ吉って感じになってるわけ,っていうか僕はそう思うのね。うんうん。


でー,1990年代の半ば当たりからのモードとして,情報処理アプローチに乗っかった研究が増えてきたのね。なんかさ,精神分析的な概念を社会的認知の土俵に乗せたりするために,色々と実験的手法が使われてきたのはみんな知ってるよな。知ってる知ってる。Implicit Association Testなんてのはそれの花形だったりしたって。

んでまぁ,そのアプローチがどの程度の素晴らしい知見を生み出してきたのか,ハタマタ駄目駄目アプローチだったのかって話は,色んなレビューに譲るとして。


アタッチメントに関しても,認知実験を使った研究が沢山やられてきたのね。その中心にいたのが,Mario Mikulincerって人なんだ。この人はイスラエルのバー・イラン大学に所属してる人なんだけど,かなり熱いんだよね。


そもそもボウルビィは当時の認知科学の影響をモロに受けて理論を構築しているから,端からそういう方向性に行くのは必然でもあったわけだけど,これまでは内的作業モデルなんていう分かるような分からん様なブラックボックスを想定して,それに頼って,お茶を濁してきていたんだ。


だけど,世の中には誠実な人も居るもんだ。日本では遠藤利彦様もそうなんだけど,もっともっと内的作業モデルって呼ばれてる認知機構そのものについての検討が必要なんじゃないかって,声高に叫ぶ人たちが現れたんだ。


そんなこともあって,1990年代後半から今年に至るまで,情報処理アプローチからのアタッチメント研究が積み重ねられてきたってわけ。だいたいはLexical Decision TaskとかEmotional Stroopなんかを使ってたみたいね。

その甲斐あって,大人のアタッチメントシステムについて,色んな事が分かって,ついにはそれもモデル化されたりしたんだ。詳しくはUC DAVIS ADULT ATTACHMENT Lab.のホームページでも見てもらいたい。賢明な読者の皆さまは既に感づいていると思う。そう,ここのラボは大人愛着質問紙研究の祖である,Shaverのラボなんだ。


でね,最近は彼らの研究も一段落って感を受けるんだ。彼らは成人のアタッチメント・システムについて詳述した後,Secure Base Schemaなんていう概念に手を出したわけ。これがどういうやつかって言うと,要は人が安心して独り立ちしていられるために,ホッコリ感を常々提供してくれている,認知機構のことなんだ。

どんなに不安が高まっていても,赤ちゃんがお母さんに抱っこされている写真を呈示(masked)されるだけでそれが低減されたりな。まあそんなのもあるって話をしっかりまとめたわけ。


で,その後の話。


現在の所,Mario Mikulincerは長めの沈黙を守っている。

そして,彼の主戦場であり,アタッチメント研究が長らく幅をきかせていたJPSPにおいては,最近アタッチメントに関連する論文は発表されていない。

最近出版された論文が載ってる,割とメジャーなジャーナルといえば,Personality and Individual Defferncesとか,Journal of Counseling Psychologyとか,Journal of Consulting and Clinical Psychologyとかまぁそのくらいなんだ。これだけ乗ってりゃ十分トピックとしては生き残ってるって言えるんだけど,問題はその数ね。


別に集計した訳じゃないけど,明らかに今年度に入って論文数が減っている。来るか,ついに来るのか,アタッチメント冬の時代。みんなが狭い牧場に牛を放牧しまくると,その牧場は簡単に,あっけなく,短期間で荒れ地になるって話,聞いたことあるぜ。

まぁ,荒れ地になっても良いんだよ。アタッチメント研究は色々と面白い知見を生み出してきたと思うからさ。


かく言う俺も,アタッチメントマニアになったおかげか,対象関係論の理解は早まった気がするぜ。そして治療同盟とかラポートとか,そんなこんなの肯定的な治療関係って奴に対する興味関心も得ることができたぜ。アタッチメントは良い理論的枠組みだ。ネタは出そろった。さぁ,みんな,膨大な文献の海にいざこぎ出せ!きっと何か得るものがあるはずだぜ。


結局何が言いたいのかよく分からなかったけど,今日は心理系ブログっぽいぜ。グヘヘ。はぐぅ。


気が向いたら,個別の論文紹介なんかもまたやるぜ。じゃあな。アデュー。

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