寄せては返す思考の波 ~努めて取り消さない~

昨日は覚え書き的ではあるが,考えていることを割と素直に書いた。

そのおかげか何か知らないが,頭が思考を欲しているようで。

書き終わって家に帰って風呂に入ってとしている内に,また様々なアイデアが浮かんだ。油断すると消えてしまいそうな思考のしっぽをなんとかつかみ,思索を続けてみた。そして明日も何かを書こうと思った。

そして今一番書きたいのは,「昨日の無し無し!!」って事だったりする。しかしながら,どうでも良い自尊心を守るためにそうやって思考停止したいのをグッとこらえ,ここに留まってみる事にした。

自分は何かこれまでとは違うことをしようとしているんだ,と思っていた。その事で,自分だけはキレイで居たい,まともで居たい,そんな欲求を満たそうとしてきた。

しかし,どうやらそれは違っていた。

「アレのナンタラがウンタラに関係するのはカンタラだからである」

そういった説明の山に辟易しているのは確かであって,だからこそ,そのような状況を悪しとしないカルチャーに対して,カウンターを当てたいと思っていた。

しかし,思惑は外れていた。

自分のやっていることも,結局は何も変わらない。ただ単に,新しく

「アレのナンタラがウンタラに関係するのはカクカクだからである」

という,以前のものと何も変わらない「説明」をでっち上げ,そして

「カクカクであるならばシカジカであるだろう」

という間接的な命題について検討を行っているだけだ。如何にこれが直接的な検証のように思えても,詰まるところはそうでない。

観察できないものを観察するために,俺はなんらかの手段を用いている。その手段がその観察できないものを捉えているかどうかという,実在と観念の間にある無限の溝によって,そしてその実在性の危うさそのものによって,思惑は外れている。結局モデルから導かれる命題を検証しているだけだという意味において,従来のモノと何も変わらない。そう思った。


昨日散々悪態をついた説明の山だって,今ある現象をそれなりに説明する(事もある)わけで,だったら,今俺がやっていることは何なんだ。

「魔法を解いてやりたいって?うまいこと言いますね。だけど,あなたのやろうとしていることっては,ただ魔法を現代風に更新するって事に過ぎないね。」

そんな言葉が,決定的な響きを伴って,このちんまい脳みそを占拠した。だったら今俺がやっていることは何なんだ。俺は何をやっていて,それはこれまでのものと比べた場合どこがどう違っていて,また何の意味があるんだ。

昨夜はこんな具合で寝付きが悪く,結局また科学哲学の冒険を読了するハメになってしまった。書籍との出会いは時に新鮮で運命的だ。昨晩,あのタイミングで読むために,きっと俺は科学哲学の冒険を入手していたんだろう。この本に,救われはしなかったが,助けられはした。




同じ現象を説明する複数の理論は,いくらでも同時に存在しうる。また,過去に誤りであるとして葬られた理論の中にも,かなりの精度で現実を予測しうるものがあった。にも拘わらず,それらが葬られたのは,「実在」との間のギャップがあまりに大きかったからだった。

以前取り上げて,結局消化不良になっている「The Concept of Validity」という論文がある。これは,妥当性の用件を,その測定法が測ろうとするものが実在すること,その測定法における分散が,その実在の分散によって生み出されていること,という2点に絞ろうじゃないか,と提案している論文である。

これを読んだ当時は,実在性を担保することの難しさだけが印象として残った。しかしながら,これを考えるヒントが,科学哲学の冒険の中に書かれていた。実在性を,操作可能性によって担保しようとする考え方である。かなりの精度で操作できるモノであれば,それは実在するといって良いのではないか,そのような事が書かれていた。

これを読んで,あの論文に抱いていた疑問の一部が氷解した気がした。この説明であれば,分散の問題にも対応しうる。まぁ,所詮俺のことだから,また的はずれなのかもしれないが。





なぜ自分がこれに助けられたのか,まだよく言語化することができない。もしかすると,何か自分が高級な事を考えていると思いこんで,悦に入っているだけなのかもしれない。その事で,勝手に棚上げしてしまっただけなのかも知れない。でもね,まだよく分からないんだ。



ただ,直接的だ間接的だ云々と考え込む必要はもう無いように思える。そして同時に,カウンターである必要も,もう無いように思える。

ただただ本当の事が知りたくてやっているのだから,自分が「これこそが真実だ」と信じているモデルによる説明がうまくいくのであれば,それが極個人的な範囲に留まる事はあっても,一応の成功ということにはなるだろう。今はそれで良い。目一杯背伸びすることはできたのだから。

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