精神分析的な人格理論を学ぶための3冊

さきほど髪を切りに行きまして,馴染みの美容師が我が頭皮を触るなり,「すっげー疲れてんね。頭皮が真っ赤で,しかもカチカチだよ。血行が悪いと髪の毛が細くなって,最終的には抜けるよ」と予言してくれました。呪詛られたような気分になりましたが,その場では「マジッスカ~」と聞き流しました。そしてその後,シャンプー係の女の人とハゲ話になり,「大丈夫ですよ~」「問題ないですよ~」とフォローされ,いたたまれなくなりました。これは堪えきれずに,その場で言いました。

そんな土曜日の午後に,勉強不足な俺様が,感銘を受けた3冊をご紹介。

精神分析的な人格理論。実のところあんまりよく分かっていません。BPOとか言われたら,真っ先に放送論理の方を思い浮かべてしまう程です。これではイカンと思い,勉強してみることにしました。ちなみに,今のところ持ってる知識のほとんどはこれから。


4422113305パーソナリティ障害の診断と治療
創元社 2005-09

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パーソナリティ障害の,とありますが,実際は色々なパーソナリティのタイプについて,欲動・自我・対象関係・自己の観点からそれぞれ説明した上で,転移逆転移などの治療上の留意点や,鑑別診断のポイントなんかについて具体的に述べてあります。どんな方法を適用するにしろ,どんな言葉を選択するか,体験をどのように扱うか,治療関係をどのように見通すかといったことは,知っていると実益があるように思いますので,これは非常に便利な本です。

しかしながら,あんまりよく分からないところもあった。例えばヒステリー性の人格。ここでは「演技性」って感じの人について詳しく書いてあるけれど,そこまで劇的な方は数えるほどしか会ったことがありません。むしろ,もっとマイルドで,もう少し奥ゆかしくて,マルッキリ抑圧的な方と,圧倒的に多くお会いするので,その辺もうちょい知りたいなと思ったり。んで,その両方の人々を,どういう風に位置づけたら宜しいだろうかと疑問に思ったり。ある程度は書いてありますが,よう分かりませんでした。


そこでさらに1冊。

4753397157精神力動的精神医学―その臨床実践「DSM‐4版」〈3〉臨床編 2軸障害
Glen O. Gabbard
岩崎学術出版社 1997-10

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日心臨で購入した中では,今のところ一番良く読んでるのがコレ。ナンシーの類書という感じですが,これがまた素晴らしく分かりやすく,面白い。ナンシーとこれを併せて読むと,理解が進むというか,立体的になるというか,とにかく複数の視点から一つの事柄を学ぶのは,非常に勉強になります。

さきほど挙げたヒステリーで言うと,こっちでは明確に「演技性人格」と「ヒステリー人格」とが区別されており,両者の特徴を対比して書いてありますから,先ほどの「もうちょい知りたい」ところに手が届くようで,非常に分かりやすい。なんといいますか,「分かりやすい」としか言えない語彙の乏しさと言葉を練らない怠惰には目を瞑っていただくとしても,やっぱりこれは非常に分かりやすいし,面白い。治療上の留意点に関してはナンシー以上に具体的で,これはマジで良書と言わざるを得ません。



そしてもう一冊。前々からBPOやらNPOといった人格構造のレベルがよく分かりませんでした。故に,さっきの例で言うところの「ヒステリーっぽいけど見た目が随分違う方々」を,どう位置づけたら良いのか分からなかったのです。そんな勉強不足な俺様の福音書。それがこれ。


4753308081精神分析的人格理論の基礎―心理療法を始める前に
岩崎学術出版社 2008-07

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神がかった分かりやすさ。素晴らしすぎる。10章最高。初めてBPOとBPDの関係がスッキリ理解できました。曰く,BPOには他のタイプもあるけど,中でもBPDが一番BPOの特徴を分かりやすく表現する,とのこと。この人格構造のレベルっていう考え方は,色んなパーソナリティのタイプを理解するための地図ですね。ホントに相互の位置づけが容易になる。ヒステリーの例で言ったら,ヒステリーのBPOレベルが「演技性人格」で,NPOレベルがGabbardが言うところの「真性のヒステリー人格」ってことになるか。こんな感じで,ナンシーとギャバードという2つの視点から得られた知識が,この素晴らしき10章によってキッチリ構造化され,少し賢くなりました。


この3冊で,精神分析的な人格理論を,大まかには学べる予感。

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