Live your life. Live your life. Live your life. ~センダックを偲んで~

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先日亡くなったモーリス・センダックを偲んで,Psychology Todayの記事を一部翻訳しました。


Psychology Today: Maurice Sendak and the Human Condition


NYタイムズによるモーリス・センダックの死亡記事は,コネチカットにある彼の自宅で,愛犬と一緒に写った写真と共に報じられました。センダックの死は,長年に渡って彼の編集者をつとめたマイケル・ディ・カプアによって,彼の身内や友人に伝えられました。



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「センダックさんは,作品の不出来を恐れていました。彼がそうした自信の無さとか,不安感に苦しめられていたとしても,驚くべきことではありません。この50年間に渡って,それこそが彼の芸術作品における大きな特徴だったのですから。彼の親族は,沢山のユダヤ人と同じく,ほとんどがナチスによって殺されました。彼が不法移民として,そして不就労移民として,狭いアパートで生き延びたこと,病気がちだった幼少期,母親の陰鬱な気分,そして彼につきまとって離れない抑うつといった様々な事柄が,彼の作品の奥底に隠れているのです。それらは大抵,注意深く描かれた作品の中で,空想的な形をとって顔を覗かせています。」




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センダックは,こうした恐怖を児童文学の中に描くことで生き延びてきたのです。児童文学といっても,彼の作品は,子ども達をひき付けるだけでなく,大人達からも大きな賞賛を得ていますね。彼は一見ゾッとするような場面や,恐ろしい心象風景を描きましたが,それだけでなく,子ども達が精神的に成長できたり,さも悪い夢を見ていただけだったかのように恐ろしい経験を切り抜ける,そんな様子を描きます。それは,最悪の事態が人々に振りかかるとしても,彼らは(少なくとも彼らの魂は)そこから生き延びることができるのだという,一種の子供向けなマインドフルネス瞑想のようなものなのです。




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彼は直面化を好む人物ではなく,むしろそれとは全く逆の人物でした。例えば,彼の両親は,彼がゲイであることを知らずに亡くなりました(少なくとも彼はそれを伝えていません)。また,39才の時に経験した心臓発作のことを,ガンで死の床にある母親には伝えませんでした。センダックは,紙に印刷された悪魔と直面することの方を好んだのです。




さらに,2011年9月に行われたセンダックの電話インタビュー(既にスタジオへ出向くことは難しかった)から,彼が自分の人生について語った箇所を翻訳しました。

This Pig Wants To Party: Maurice Sendak's Latest

僕はもう,自分の人生を褒めるだけだよ。僕は不幸せな人間じゃなかったからね。 ただ,死んでしまったみんなのことを思って,僕はこうして泣くんだよ。彼らが行ってしまうのを,僕は止められないからね。僕は置いてきぼりにされてさ,余計に彼らが愛しくなるんだ。

それがさ,何よりも恐ろしいことだったんだよ。孤独ってやつがね。あぁ,僕が死んで,いつかは立ち去らないといけないこの世界には,こんなにも美しいモノゴトがあるんだ。でも,もう大丈夫。準備はできたよ。いつでも構わない。

僕は君より先に行く。だから,君を思って寂しくなることはないよ。まぁ,それはいいんだ。僕は幸せなおじいちゃんだよ。でも僕は,お墓に入るまで,ずっとそうやって泣いてるだろうね。




彼はインタビューを,(多分)こう結びました。


I wish you all good things. Live your life. Live your life. Live your life.



どうぞ,安らかに。

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